Mravinsky – Glazunov : Symphony No.5 etc. (1979 Tokyo Live)
それにしてもムラヴィンとレニングラード・フィルの精徴さは異常というほかなく、金管はもとより、つやの乗った弦の美しさと全て極上。それが今回見事にとらえた録音です。グラズノフはこの日団員2名が亡命するアクシデントがあり公演中止かという極限状況下で 全員がいつも以上の力を出し切り 何とも熱い演奏を展開。68年モノラル録音との違いは歴然 作曲家独特のデリケートなニュアンスが捉えられています。素晴らしさのあまりグラズノフを偏愛する某氏をして「神棚にでも供えて置きたい代物。他を捨ててもこの一枚で十分」と言わしめたほど。また ムラヴィン6歳の音楽初体験「眠り」はいわば将来を決めた作品。重要性に反して48年SP復刻しかなく これまでまともに聴けなかった曲目でした。演奏はとにかく凄まじいの一語。序奏の打楽器の炸裂、有名なワルツ冒頭など ロシアの指揮者の誰よりも強烈で巨大。かくも甘さを排したチャイコも稀。当シリーズの中でも最も衝撃的な一枚。
Glazunov: Symphony No.5
Tchaikovsky : Overture from “Sleeping Beauty”
Tchaikovsky : Adagio from “Sleeping Beauty”
Tchaikovsky : Panorama from “Sleeping Beauty”
Tchaikovsky : Waltz from “Sleeping Beauty”
Evgeni Mravinsky
Leningrad Philharmonic Orchestra
8 June 1979 NHK Hall, Tokyo (Live, Stereo)
【ALT064】(2003/6/23)